そのコップは空(ソラ)だった。





「全く好みなんかたで喰う虫も好きずきって言うじゃんか。」



隣で息を整えて言う黒住くんと私がたどり着いたのは屋上。



「屋上って…立ち入り禁止なんじゃ…。」


「俺以外立ち入り禁止なの。」



あれ…規則が勝手に改正されちゃってる…。



「まぁ、お前は特別ってことで。」



彼は屋上真ん中で腕を枕にして仰向けに寝っ転がる。


特別…。



胸がドキドキする。



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