時 空 堂

 俺達はずるずるとその場に座り込み、お互いの顔を見合わせた。

「と、とりあえず警察に電話だな」

「・・・あぁ」

 呆然と車を見つめた。

 がたがたと震える手で、携帯を胸のポケットから取り出し、110をしっかりと押した。

 数回機械音が鳴り、ガチャと男が出た。

「はい。警察です。事件ですか?事故ですか?」

「あ、あの黒づくめの男たちが・・・、強盗が来て・・・、車が襲われたんです。アタッシュケースが、あのっ、現金が奪われたんですっ」

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