時 空 堂

 社長の怒号が落ち着いた頃、俺は口を開いた。

「社長俺今日で辞めます。給料もいりません。もう怖くて・・・、すみません」

「あの、俺もです。もう無理です」

 俺の言ったあとに、篠原も続いた。

「・・・あぁ、好きにしろ。引き継ぎ等だけして、荷物をまとめてくれ」

 社長は奪われた金だけが気になっている様子で、上の空だった。俺たちを止めるそぶりもなかった。

「今までありがとうございました」

 一礼し、そのままデスクへと行き荷物をまとめた。
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