時 空 堂

「黒河、こ、これは一体どうしたんだよ」

 桜田たちの死体を見て、篠原は動揺していた。

「なぁ、篠原、自首しないか?」

 篠原の質問には答えずに、自分の質問をぶつけた。

「な、何を言ってるんだよ。せっかくうまくいったのに」

「うまくいったって、時効まで逃げ切れるのか?」

「やってみなきゃわかんねぇだろっ。そのために計画を何度も練ったんじゃねぇか。それにもう引き返せない」

 お互いが声を荒げた。

「そうか」

 小さく呟いた。
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