時 空 堂

「これでさようならだ、篠原」

 懐中電灯の光に向け、銃口を篠原に向ける。震えていたはずの手は、しっかりと篠原をとらえていた。迷いはない。

「なっ、黒河。まさか桜田たちをやったのって、お、おまえなのか」

「・・・悪いな。あとで俺もいく」

「やめっ、やめてくれっ。黒かっ」

パーーーン

 桜田たちの時と同様、乾いた音が響いたと同時に、血飛沫の音が聞こえた。そして、ドスンと倒れた音が聞こえた。
< 121 / 426 >

この作品をシェア

pagetop