時 空 堂

「私もしかして結婚してんの?」

 洗面所を後にし、私は落ち着いてもう一度部屋を見回す。

「あっ」

 玄関の靴箱の上に写真立てがあった。それを手にし、ゆっくりと目をやる。

 それに写っている私は、これ以上ないって程の笑顔で、純白のウエディングドレスに身を包んでいる姿だった。

 左に写っている男は、見たこともない人。

――ズキンッ

「痛っ」

 頭が割れそうな痛みに襲われた。

「痛っ、あぁぁあぁ」

 悲痛な叫び声を上げながら痛みに耐え切れず、私は頭を抱え座り込んだ。

 痛みの中、脳裏に何かが入ってくる。

「あなたの未来よ」

 あの店の女の声がする。

「うあぁあああぁ」

 痛みに耐え切れず絶叫し、私は床に倒れた。
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