時 空 堂
するとその友達は、壁に手を触れることなく倒れ込んだ。
そう、俺が今見えている壁をすり抜け、倒れている。足しか見えない。
「って、え?はっ?え・・・っ」
言葉が出なかった。
「いってー、建物なんてねーじゃーん。酔いすぎだってー、さーて、帰るぞー」
友達は俺の手を引き、建物から離れ、帰路についた。
俺は気になって建物を見たけど、何度目を擦っても、建物は消えなかった。さっき触った感触もあった。
一体何がどうなっているのか、訳がわからなかった。