時 空 堂

 その翌日、酒も抜け、素面の状態で、もう一度あの場所へと向かった。

 やはりそこには建物が飄々と建っていた。夢なわけでもなく、ましてや酒のせいではなかった。

 しばらく離れたところで、建物を見ていたが、誰もそこに目を向けないし、入らない。まるでそこには何もないかのようだった。

「何なんだ、一体」

 不思議と、不気味とは思わない。ただただ、あの建物が気になって仕方がなかった。
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