時 空 堂

 階段を降りると、音に気付いたのか榊さんが出てきた。

「おはようございます。早いんですね」

 身なりをきちんと整えているこの人は、一体何時に寝て、何時に起きているんだろう。

「榊さんこそ」

 そう言うと何も言わずに、にっこり笑っていた。

「ちょっと散歩してくる。朝ごはんは食べるから、何かお願いします」

「わかりました。まだ少し暗いですから、気を付けてくださいね。いってらっしゃいませ」
< 153 / 426 >

この作品をシェア

pagetop