時 空 堂

 玄関を出て、門を抜けた。まだ薄明かりで、見ていて何故か落ち着いた。

 刹那と出会った時、グレーに見えていた景色に色が戻った。

 色鮮やかな景色がとても綺麗に思えた。

 現実と向き合わず目を背けていたせいだったんだろうか・・・。急に全てのことを、封じ込めて、目の前の現実と向き合えた。


『ねぇ、潤?お願い、笑って。大丈夫って笑って』


――ズキンッ
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