時 空 堂
時空堂

 しばらく歩き回り、ゆっくりと空を眺めた。気持ちの良い、空気だった。

 陽がのぼった頃、ゆっくり家へと戻った。

「おかえりなさい。ご飯出来てますよ。今日もどこかへ出掛けるんですか?」

 ゴミ袋を片手に、榊さんは外へ向かおうとしていた。

「あ、うん。今日も出てくるよ」

「気をつけてくださいね。晩御飯は用意しましょうか?」

 少し考えて「いや、晩御飯は自分でどうにかするよ」と言って断った。
< 156 / 426 >

この作品をシェア

pagetop