時 空 堂
「――龍(リュウ)っ」
私は脳裏によぎった男の名前を叫びながら、目を覚ました。
目の前には写真に写っていた男、龍が居た。
「薫・・・、どうした?大丈夫か?玄関に倒れていたけど」
「えっ、あぁあの、その」
突然目の前に龍が居た為、戸惑い焦った。
「き、気分が悪くなっちゃって、そのまま意識がなくなっちゃったみたいで」
嘘は言っていない。
「大丈夫か?晩御飯俺が作るよ」
そう言いながら龍はスーツのボタンを外し、ネクタイを緩めながら、台所へと向かった。
私は隣接する部屋のベッドに寝かされていた。龍が運んだんだろう。