時 空 堂

「すみません。誰か居ませんか?」

 恐る恐る、青年が入ってきた。俺のことは見えてないらしい。

「すみませーんっ」

 声を張り、一生懸命、中を覗き込む。

「・・・はい」

 奥の方から、か細い声がした。

「せ、刹那。大丈夫なのか?」

 思わず声をかける。・・・が刹那は人差し指を立て、口元に当て、黙ってという行動をとった。
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