時 空 堂

「そう・・・、ですか。そうですよね」

 青年はがっくりと肩を落とし、佇んでいた。

 俺とそんなに年は変わらないだろう。就職やバイトを見つけるのが、昨今難しいのが、目の当たりにしてよく分かる。自分がいかに恵まれしているのか、改めて実感した。

「あのぅ・・・、えーっと」

 黙っていた青年が再び口を開いた。

「ここって一体何屋なんですか?占いとか?」
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