時 空 堂
其ノ三、男

 青年・・・、何屋か知らずに面接に来たのか。まぁ、外観にはいびつな形をした針の時計しかついていないから、分かるはずもない。看板はあっても意味がないだろうから。

「紹介が遅くなりました。ようこそ、時空堂へ。ここは、過去にでも、未来にでも行ける場所です」


「・・・」

 聞いておいて、黙り込むのかよ。

 無言で瞬きもしないまま、青年は石のように、停止した状態だった。そんなに衝撃を受けたのか?
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