時 空 堂

「恭ちゃん?起きてるの?」

 扉をノックするとともに、その声が唐突に聞こえた。びくっと体が跳ね、動かしていた手が自然と止まる。

「恭ちゃん?」

「あぁ、母さん。・・・起きてるよ。解いておきたい問題があったから少し勉強してるんだ」

「そうなの。もうすぐ0時過ぎるから、早く体休めてね」

「わかってるよ」

 自然と手に力が入る。
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