時 空 堂

 そしてある事件が起きて、俺は家を飛び出した。思い出したくもないあの事件が起こらないためにも、試験に合格して、さっさとあいつと・・・、この家とおさらばしてやる。

「絶対、絶対受かってやる」

 そう自分に言い聞かせ、新しい鉛筆を削り再び勉強を始めた。ノートにひたすら文字が書けた。

 興奮しているのか、全く眠くならなかった。
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