時 空 堂

 そう言いながら龍はこっちに寄ってきて、私を横にし布団をゆっくりとかけてくれた。

「ありがとう」

 そう言って目を閉じた。

――ズキン、ズキン

 まただ。あの痛みが襲ってきた。頭が痛い。

 龍が居るため不安を煽らないよう、声を出さないように歯を食いしばって我慢した。

「――っう」

 脳裏に様々な映像が入ってくる。

 高校を卒業し、フリーターになり泣いたり笑ったりのそれなりの毎日。

 色んな記憶が頭の中をいっぱいにしていく。
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