時 空 堂

「前と同じ?そんなことはないでしょう?」

「え?」

 表情一つ変えず淡々と話し始めた。

「だってあなたは数年分の記憶を持ってここにきた。その時点で前と何もかも一緒ってことはないはずよ。あなただって違う行動とったんじゃない?」

 そう言われて、ハッとした。

「そういうことだったんですね」

「仮にあなたが忠実に行動しても、あなたがここに戻ってきたことで少しずつ前とはずれ始めている」

 説明する彼女の顔色が少しずつ真っ青になっていった。

「あのっ、大丈夫ですか?」
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