時 空 堂

「えぇ、平気。それよりあなたどうするの?」

「え?」

「あの人。心病んでるんじゃないの?」

 この人が言う「あの人」は「あいつ」のことだろう。

「なんでですか?普通ですよ」

「そう?それならいいけど」

「あっ、・・・嘘です。本当は病んでます。でも大丈夫です」

 一瞬話してしまいそうだった。でもあれは話せない。誰にも。
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