時 空 堂
家に帰って、一応あいつに合格の報告をしようとしたが居なかった。
「まぁ、いいか」
部屋へと戻り、ふぅっと息を吐く。やっと肩の荷がおりたようだった。椅子に座り、天井を見あげる。あいつになんて言って家を出ようか。そんなことを考えていると、スゥっと彼女が現れた。
「いっらっしゃい」
笑顔で彼女を迎えた。
「機嫌がいいみたいね」
「あぁ。受かったんだ、大学に。俺やっと行きたかった大学に行けます」
「そう」
少し沈黙が走る。
「今日は何か用事ですか?もう目的は達成されましたよ」