時 空 堂

「だいぶうなされていたけど、悪い夢でも見たか?体調がやばいか?」

 心配そうに龍が私を覗き込む。私は何も言えなかった。

 悪い映像を見た気がする・・・。だが、脳内に入っているはずの記憶が入っていない。

 心臓がばくばくしている。

「薬買ってくるよ。風邪かな?頭痛ある?」

 龍の冷たい右手が私のおでこを包む。

 私は左右に首を振る。

「んー、若干熱いかな。とりあえずお粥出来てるからお粥食べてな。俺はひとっ走り薬局に行ってくるから」

「うん、ありがとう」
< 22 / 426 >

この作品をシェア

pagetop