時 空 堂

 何の映像だったか、思い出せない。

「・・・ねぇ、お姉さん居ないの?」

 私は脳に直接話し掛けてきた店の女を呼んだ。

「訳分かんないのよ、助けてよっ。私をここにやったのはあんたでしょ」

 この夢のような状態を、あの女に会って話すれば受け入れられる。私はそう思った。

「呼んだ?」

 すぅっと女が目の前に突然現れた。

 もう何が起きても驚けなかった。

 きっと今、目の前に死んだじいちゃんが現れても私は驚かない自信がある。

「やっぱり来た。ねぇ、一体何なのこれ。ここどこ?」

「あなたの未来」

 しれっと女は言った。
< 23 / 426 >

この作品をシェア

pagetop