時 空 堂
あたりを見回すのをやめて、家へと向かった。
「あれ?潤さん?」
ふと呼ばれて振り返る。そこには榊さんが、野菜などを詰め込んだスーパーの袋を両手に持って立っていた。
「お帰りですか?」
にっこりと笑いながら問いかけてきた。
「今帰りだよ。榊さんは?」
「私は明日の朝ごはんの買い出しです」
そう言って両手に持った袋を見せてくれた。
「貸して、持つよ」
「悪いです、大丈夫ですよ」
「男に格好つけさせてよ」
無理矢理榊さんの両手から奪い取った。