時 空 堂

 刹那は大丈夫なんだろうか。気になって気になって仕方がない。榊さんと話している間は気が紛れたけど、やっぱり一人になるときつい。

 考え込むのは俺の癖だ。まっいいか、ですまないから、我ながら面倒くさいと思う。男の癖に女々しいよな。

 野球ばかりやっていた小学生が懐かしい。何も考えず、ただただ遊んでいた毎日ほど楽しかったものはない。

 この前父親と話したこと、本当ははっきりと覚えている。恭華のことだ。とぼけたのは、あのままだと恭華の話しを始められそうだったから。
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