時 空 堂

「ねぇ、潤?」

「何?」

「未来や過去に行きたいって思ったことある?」

 少し唐突な質問に驚いた。まっすぐ俺を見ながら問いかけてきた。

「・・・あるよ」

 刹那に嘘は通用しない。そう思った俺は本心を言った。

「何故?」

「誰しもあるんじゃないかな。あの時こうしていればよかった、早く大人になりたい、そんな風に願うことが。俺はあの時こうしていればよかったって側かな」

 そう言うと刹那はふぅと息を吐いた。

「そうね。そう願う人はいくらでもいるわよね」

「あぁ、居ると思う」
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