時 空 堂
「いやいや、急かしてなんかないっーの」
「あら、そう?」
薄ら笑いを浮かべ、女は惚けてみせた。一体何歳なんだろう。二十歳にはなってないと思うけれど、凄く妖艶だった。
「記憶・・・、欲しい?」
「いるって。ちょっとずつなんて、訳分からなくて困る」
「承知しました。どんなことがあっても、当店では責任を負いかねます。構いませんか?」
「・・・どんなことって?」
私は冷静に女の話を聞いた。最初のように焦ったっていいことなんてないから。