時 空 堂

「本当に行けるの?」

 少女は刹那に詰め寄るように答えた。

「はい」

 刹那は無表情のまま頷き返す。こんな少女が客で彼女はどんな気持ちなんだろう。

「じゃあ、未来に行きたい。私早く死にたいの」

 思わぬ返答に俺は立ち上がった。ガタっと椅子の音がし、少女はこちらに向く。が、何も見えないからか、首を傾げていた。

「刹那、やめろ。やめるんだ」

 こんな少女を連れていってはいけない。
< 255 / 426 >

この作品をシェア

pagetop