時 空 堂

「刹那っ」

「何?」

 短く返事をする刹那は、先程とは少し様子が違っていた。

「あんな、まだあんな幼そうな子を・・・。なんで?」

「いけない?彼女が望んだことよ。私は仕事をしているだけ」

 冷たく言い放ったあと、刹那は彼女のあとを追うようにすぅーっと俺の目の前から消え去って行った。

「いけないよ・・・。刹那」

 居なくなった刹那に向かって、小さく呟くように返事をした。
< 257 / 426 >

この作品をシェア

pagetop