時 空 堂

 大学へと進学し、様々な恋愛に様々な勉強。悪戦苦闘しつつも充実していた。初めての勉強、そしてアルバイト。全てが新鮮に感じていた。

 大学卒業後、地元の会社に就職して、晴れて社会人。お酒の味を覚えて遊びの場も広がった。

 そんな人並みの生活を送っていた。

「ねぇ、この記憶は本当に桜(サクラ)のものなの?」

 不思議になって、ベッド脇に立つお姉さんに問い掛けた。透き通る白髪にも目が行くけど綺麗な色の着物についつい目が行ってしまった。

「あのままあなたが成長した未来よ」
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