時 空 堂
┣未来
「・・・らさん、桜さん」
遠くの方から声が聞こえるのを感じて、その声の方に寄ると目が覚めた。
「・・・ん」
「起こしてごめんなさい」
ゆっくりと目を開けると、白いナースキャップをかぶった看護士さんが立っていた。
「検査の時間だから行かなくちゃ行けないんだけど、体調大丈夫ですか?行けます?」
看護士さんが私の右手首を持ち、脈をはかりながら問いかけてきた。
「あ・・・は」
目が覚めたら、うまく声が出ない。話しかけられたことに答えようにも、ただ首を動かすことしか出来なかった。