時 空 堂

「おっ···さ、っ」

 お姉さんを呼ぼうにも、言葉がうまく出ない。

「どうしたの?」

 看護士さんが私の後ろから、少し覗き込むようにして問い掛けてきた。

 何も話せない私はただゆっくりと首を横に振った。

「大丈夫?さー、着きましたよ」

 看護士さんが扉を開け、中に入ると白衣を着たお医者さんがカルテを見ながら立っていた。
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