時 空 堂

 慎介は子供が謝るよりも軽く謝ってみせた。

「まぁ、これでお母さんに何かあったら兄さんが原因だからいいけどね」

「お前もひどいこと言ってんじゃねぇか」

 クククっとまた笑った。何この子たち、本当に私の子供なの?さっきとはまるで別人のようだった。少し動く首を動かして、哲矢さんが開けてくれたカーテンの外を眺めた。

 これ以上こんな子供たちを見ていたくない。

 そんなことを思っていると哲矢さんが帰ってきた。

「お義兄さんこれでよかったですか?」

「ありがとう」

「千賀はこれだよな?」

「えぇ」

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