時 空 堂
「それはわからない。ただ、あなたが取り戻していない記憶の中に何かあるのかもしれないわね」
「例えば?」
「それは自分で確認しなさい」
お姉さんがそう言ったあと、私の頭の中に映像が流れ込んできた。
映画の続きを見るように、途絶えた映像から始まった。
旦那さんが亡くなり、一人で家に居ると子供たちがよく顔を出すようになった。始めはそれだけだった。そうここから映像がゆがみ始めた。一体何があったっていうの?
「どうする?やめておく?」
「ううん、やめない。どうせ死ねなら全部知ってから死ぬ」
「・・・そう」