時 空 堂

 映像が次々と流れ込み始めた。

 家に一人でいると、慎介と千賀がやってきた。

「母さん、体調はどう?」

「あぁ、大丈夫だよ」

「そう、良かった」

 二人は来たものの、座ろうとしなかった。

「ねぇ、母さん。父さんの遺品の整理しないの?」

 そう言って慎介は旦那さんの書斎があった二階を指差した。

「えっ?あぁ、そうだねぇ。何もする気にならなかったから・・・。二人が来たのだから、今からしようかねぇ」

 なかなか思うように動かなくなってきた足をゆっくりと立たせて、二階へと上がった。
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