時 空 堂
目を開けると変わらない景色があった。
「あのまま寝ちゃったんだ」
ふと横を見ると、同じ布団に龍が寝ていた。いつの間に帰ってきたんだろう。
――ドクン、ドクン
心臓がはやくなる。口から何か出てきそう。気持ち悪い。
「・・・いけない」
素早く立ち上がり、急いで私は玄関に向かって走った。
――ニゲテ、ニゲテ
私の中に危険信号が走る。
「ん・・・、薫?」
寝ぼけた龍の声と同時に私は玄関を出て、走った。
分かる。私はいつもこうして逃げていた。
何から?
龍から。