時 空 堂

「ばいばい」

 そう聞こえた気がした。

 あちこち痛い。動けない。遠くで千賀が「何本気でやってんのよ」と叫んでいる声が聞こえた。そして気がつくと病院に居た。

 気分が悪い。気持ちが悪い。自分の子供たちがこんなに狂気を孕んでいるなんて。

「どう?原因はわかった?」

 白髪のお姉さんが覗き込んで居た。

「えっ、あっ、あぁ。う・・・ん」

 まだ映像は途切れない。まだ、流れ込んでくる。

「助かったよなぁ。打ちどころが悪くて警察に言われることもなくて」

 そんな会話が飛び交ってきた。
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