時 空 堂

「えっ?」

「だからこそ、あなたの力になろうと思えるんです。お願いですから一日でも長生きしてくださいね」

 相川さんの言葉に胸がいっぱいだった。さっきまでの怒りが中和されていくよう・・・。

「さて、では書類の不備がないか確認しておきますね。遺産についてもお任せ下さい。桜さんの望むように手配しておきます」

「よろしくお願いします」

 深々と、私なりに精一杯頭を下げた。もう会うことはないかもしれない彼を最後に目に焼き付けた。

「桜さんお元気で」

「えぇ、あなたも」

 そう言ったあと、相川さんは病室を出て行った。その瞬間、私の体に激痛が走った。

「かっ、は」

 痛みが全身を駆け巡るように、一瞬にしてベッドに倒れ込んだ。
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