時 空 堂
この痛みもあと少し。もうすぐしたら私は死ぬ。大好きな・・・、大好きだった子供たちを置いて。
こんな時だからだろうか。楽しかった思い出ばかりが蘇る。
遺産を渡さないなんて意地悪だったかもしれない。でも、この先私がいなくなったあと、自分たちの力で何とかして欲しかったから。私はこの選択を後悔しない。間違っている子供たちを正すだけ。
「おね・・・えさ、ん」
呼びかけたお姉さんの方を振り返ると、お姉さんは真っ青な顔をしていた。
「ありが、とう。ここ・・・に、連れて・・きて、くれて」
「・・・何故?」
お姉さんの声が少し遠くに聞こえた。
「わた、し、あのまま・・・大きくなってたら、また違う人生になってただろうから」
「こんな終わり方なのによかったの?」