時 空 堂
お互い視線を外すことなく見合っていた。
「ふっ。後悔しないのならば教えてやろう」
クロは口角を上げ、ふっと笑った。
「かまわない。教えてくれ」
そう答えるのを予想していたかのように、クロは微動だにしなかった。
「・・・おまえがここにいると、この時空堂に歪みが生じる」
「歪み?」
「そうだ。ここは時空堂。本来、過去か未来のどちらかにいく場所であって、普通の人間が居続けていい場所ではない。なのにおまえはここに居続けている。そのせいで歪みが生じているんだ」
「それがなんだっていうんだ?」
クロは目を細めた。
「生じた歪みを刹那が全て吸収し、歪みを消滅させている」