時 空 堂
写真を床に置き、目を摩った。
再び箱の中身を見た。写真や手紙をのけると、箱の隅で何か光るものがあった。
「・・・これ」
見覚えのあるピアスだった。赤くキラキラと光る小さなピアス。
「刹那と・・・一緒?」
確かに刹那の耳にも赤く光るピアスがあった。白髪の髪の隙間から、たまにちらちらと赤く綺麗に光っていた。
このピアスは元々二つで一つのセットだった。
「天にあらば願わくは比翼の鳥となり、地にあらば連理の枝とならん・・・か」
あいつの好きだった長恨歌。比翼連理に合わせて俺は左耳にこのピアスを、あいつは右耳にこのピアスをしていた。