時 空 堂

「話すことなどなかろう。もうおまえの質問には答えたはずだ」

 クロは俺を見据えそう言った。

「俺にはあるんだよ。どうしても腑に落ちないんだ」

 俺もクロを見据えた。

「ほぅ。一体何を話すんだ、潤。くだらぬ話などするなよ。・・・まぁ、良い。どうせ刹那はまだ帰らぬ。ゆっくりと話すがいい」

「そう言ってくれてありがたいよ」

「ふん」

 クロは座り、話を聞こうとしてくれた。

「何から話そうかな。とりあえずさ、俺の昔話でも聞いてくれる?」

 俺の仮説を話そう。

「話は数年程前になるんだ」

 そう、数年前の雪のちらつく頃の話しだ。
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