時 空 堂

「あっ、整形とかって言うわけじゃないから安心して」

「じゃあ、その確証は何なのだ?」

 少しイラついたようにクロは言った。

「正直確証はない。でも、とりあえず気になったのはピアス」

「ピアス?」

「このピアスに見覚えない?」

 俺の左耳をクロの方に見せる。クロは目を細めじっと見た。

「・・・ほぅ。刹那のものと同一か」

「そう。このピアスは恭華とお揃いでつけていたものなんだ」

「まさか、たったそれだけのことではなかろうな?」

 鋭い目で俺を睨みつける。

 刹那と恭華が同じ人物だなんて、思ってもいなかった。でも、あの言葉が引っかかって、俺に疑問を持たせた。
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