時 空 堂

「潤、教えてやろう。何故過去か未来かの選択肢を与えたのか。・・・その人間の一番最悪な終わり方に導かせている」

 クロはにんまりと笑った。こんな風に話すクロは初めてかもしれない。

「最悪な終わり方?」

「刹那から聞いていないのか?この時空堂は、その者の求める過去か未来にいき、死に様を見ているのだ」

「死に・・・、様」

 刹那が「人の最後」と言っていたのは、このことだったんだ。

「その選択をさせて何か気持ちは晴れた?」

「・・・あぁ」

 クロは呟くように小さな声で言った。

「本当に?」

「喧しい。・・・少し黙れ」

「クロ、頼む。お願いだ。刹那が恭華なのか?教えてくれ」

「・・・潤、それを知って何になる?」

「えっ?」


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