時 空 堂

┣彼女と俺


 どれくらいの時間を待ったんだろう。

 無音のこの空間に長時間いると、色んな感覚が狂ってきそうだ。

 そんな時、コツンと音がし、はっと顔をあげた。

「・・・じゅ、ん?」

 いつもの姿の刹那がそこに居た。少し驚いた表情だった。

「おかえり。具合は?」

「今は大丈夫。今日はどうしたの?」

「ごめん、もう来ないつもりだったんだけど、やっぱり刹那のことが気になって」

「・・・そう」

 返答に困ったような顔でこっちを見ていた。

「刹那座って。少し話をしよう、時間があまりない」

「・・・そうね」

 そう言うと、俺と対面になるように刹那は座った。
< 350 / 426 >

この作品をシェア

pagetop