時 空 堂

「宿業、悪業などのことよ」

 俺は分からず黙っていると、刹那はこう付け加えた。

「カルマって言葉は知らない?」

「それなら聞いたことあるけど、はっきりとした意味までは知らない。それがどうしたの?」

「カルマ、業とは簡単に言えばその人の行いのこと。ここ時空堂では前世の悪業が強い人や、現世での業により罪が増えた人を招き入れ、綺麗に浄化する場所」

「浄化?」

「えぇ、罪を払拭するために。簡単には浄化出来ないけれどね」

 刹那は簡単そうに説明するけど、俺にはあまり意味が分からなかった。

「一番最悪な形で、その人の業を消し去り、綺麗な状態で来世を迎えてもらう、そうクロに聞かなかった?」
< 353 / 426 >

この作品をシェア

pagetop