時 空 堂

「えっ?」

「違うの?」

「俺はクロ自身の憎しみを晴らしていると聞いてたんだ」

 そう言うと、刹那は目を丸くしていた。

「クロは親に捨てられ、人間を憎んでいると。欲の強い人間を消している、そう言った」

「・・・わからない」

 刹那は小さな声で言った。

「わからない?」

「クロは私にそんなこと言わなかった。いえ、正確には捨てられ憎んでいることは聞いたわ。でも、その憎しみを晴らしているなんて言わなかった」

 首を左右に小さく振り、刹那は黙ってしまった。

「ねぇ、刹那。実は俺と刹那は知り合いだったんだって言ったら驚く?」

「・・・いいえ」
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