時 空 堂

「じゃあ、その業っていうのはずっと背負い続けていくってこと?」

「そうだな。そして、人間の抱えきれないほどの一定の業が溜まったとき、その人間には不幸が訪れる」

「・・・例えば?」

「殺人、事件、事故、天災、まぁ様々だ。その人が最も不幸と感じる終わり方。まぁ、一番多いのは殺人だろうが。その不幸が起きたあとの業は零となり、業を背負っていないまっさらな綺麗な人間に生まれ変われる」

 クロは一息つき、机をぼーっと見た。話疲れたんだろうか。

「じゃあ、この店は業の積み重なった人間を浄化し新しい人生を歩み始める場所ってことなの?」

「ふっ、簡単に言えばそうだな」

 それを聞いて少し安心した。
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