時 空 堂

「でもさ、どうして俺はここに出入り出来ているんだ?刹那の関係のある者が出入り出来るってなるのなら、この街には何人もいるはずだよ」

「それは・・・っ」

「クロ。嘘偽りなしだろう?言ってくれよ」

 クロは一瞬静止したあと、観念したように一息ついた。

「刹那を救える者・・・だ」

「救える・・・者?」

「そうだ」

「そういうこと?刹那は・・・、恭華は生きているのか」

「いや、生きてはいない。あの日事故で死に、魂だけの存在となった。それだけはどうにもならぬ」

「じゃあ、どう救うっていうんだよ。まさか安らかに成仏さすってことじゃないんだろうな」

 一瞬でも、恭華がもどってくるんじゃないかと期待してしまった。
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