時 空 堂

「なんでよ?あっ、見て、この痣。私あの人に暴力奮われてるの。助けてよ」

 女から離れ、服を捲くり見せ付けるように近付けた。目線は向けたものの、女は眉一つ動かさなかった。

「無理よ」

 冷たい一言。

「なんでよ?未来に飛ばすこと出来るなら戻すことだって出来るでしょっ?簡単なことじゃない」

 女は着物の袖元を口にあて、私を見据える。

「言わなかった?たった一度だけ・・・と」

「・・・そういえば言ってた気がする。でもそれが何?」
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